ものくろ日記

テーマはないよ。書きたいことだけ。

文字で残すということ

ときは大動画SNS時代

さて、今やYouTubeTikTokが全盛で、インターネット上で何かしら発信をする場合にはそれらのメディアを通じて行うのが当たり前、という時代である。私はすでに中年に差し掛かるような年齢であるので、もしかしたら若者の遷移を追いきれておらず、より新しいSNSが流行ったりしているのかもしれない。ただし、おそらくであるが、すでに流行っているかもしれない、ないしは今後流行るであろう新たなSNSも、動画や画像をシェアするのがメインで、文字情報(特に何千字とかっていう長文)を共有するようなサービスが、若者世代で流行するということは起こらないだろう。いい悪いの話ではない。ある意味では文字情報を共有するメディアは、このようなブログを含めインターネット上で飽和状態であるし、紙の本、電子書籍等、すでにさまざまな形で世に存在しているわけで、今後新たな形で、、ということでもないのだろう。一方で、動画系のサービスは、常に何かしら新たなサービスがローンチされており、流行り廃りのスピードも加速するばかりである(近年、ある程度固定化されてきているような印象もあるが、新しいサービスは常に開発されている)。文字情報メディアといえば、今やTwitterだけで情報収集するような人も出てきており、極めて短く、断片的な情報からものごとを判断するようなことが起こっている。 そしてよく言われているように、若者の本離れ、読書離れ、文字離れという現象は、誇張されている部分もあるかもしれないが、傾向としては間違いないだろう。こういう場合に、よく「若者の」という枕詞が付けられるが、必ずしも若者だけに限定すべきではないのではないか。例えば、通勤ラッシュの電車に乗ってみてほしい(必要がなければわざわざ乗るようなものではないが・・)。どの層も満遍なくスマホの画面を眺めており、多くは動画の閲覧、スマホゲーム、Twitter等で時間を潰している。紙の本や新聞、電子書籍を読んでいるのは少数派である。これは世代を問わず発生している現象なのだろう。

文字は死んだのか?

これは私がわざわざ指摘するまでもなく、そんなことはない。役割分担が進んでいくだけであろうということだ。少し前までは、文字情報の消費は、比較的手頃な余暇時間の使い方、暇つぶしとしても機能していた面があるのだろう。特に電車等での移動中なんかは、スマホがなかった時代には本を読む、CDプレイヤー、MDプレイヤーで音楽を聴く、ボーッとして過ごすというぐらいの選択肢しかなかった。今は、なんとなく時間をやり過ごすための選択肢が豊富になり、より手軽なものが増えたから、そちらに流れるのは当然である。 そのような流れがあっても、文字情報がなくならないと考える一つの要素(最大かは分からないが、比較的重要なもの)は、文字は圧倒的に検索性に優れている、ということだ。 何か知りたいこと、わからないことがあったら、多くの人はGoogle等の検索エンジンを用いることと思うが、この際、基本的には文字を入力して検索する。ヒットするのは、同様の、ないしは関連する文字情報を含むページな訳で、YouTube等の動画についても、タイトルや説明文にヒットする場合に検索結果に現れてくると理解している。画像検索*1も一部行われているだろうが、極めて限定的な用途であろう。辞書も検索されることを前提として設計されているし、専門書なんかだと必ず索引がついていて、キーワードを検索すれば、何ページにその情報が記載されているかがわかるようになっている。極端に言ってしまえば、情報とは検索性があるものでなければならない。

すべてが動画になるときはやってくるか?

現時点では、動画の検索性は限られており、動画メディアで検索をかけるときも、あらかじめ文字情報として設定されたタイトルや説明文、裏側で設定されたキーワード等に引っかかるから検索結果として表示されるという形となっている。ただし、これは今後技術の進歩によって状況が変わるかもしれない。 例えば、AI等で動画内容を自動で分析し、そのような情報を求めている人に対して検索結果として(ないし、何かしらの方法で自動的に)提示する、ということが考えられる。もしかしたら私が知らないだけで、すでにこのようなことが行われているのかもしれない。このようなことが起これば、現状と比べて検索性は上がり、より動画での情報収集が優位になる可能性がある。ただし、動画情報はその性質上、ある一部のみを切り取るのが文字情報と比べて困難であるように思えるため、検索性で文字情報を上回ることは、現時点では想像しにくい。さらに、前後の文脈について理解しようとしたり、複数箇所を検索したりという手頃さは、やはり文字情報が優っているだろうと思われる。

心配するほどじゃないよね、という話

つらつら書いたが、どちらかがなくなるとか滅びるとか、そういう話ではなく、それぞれがあり、それぞれ異なった用途で用いられるというだけの話なのだろう。文字情報は娯楽として消費されてきた歴史もあるが、徐々にライト層は離れていき、ある程度の強度で消費する層が中心になっていくだろう。一方で、私も今YouTubeをBGMにしながらこの記事を書いている通り、動画・音声メディアはライト層を取り込んできている。そのような人口の移動はあるにせよ、文字情報がこれからも必要とされるものであることには変わりないはずだ。1000年前に書かれた文書が今も読まれているように、インターネット上の文字情報も、もしかしたら1000年後のもの好きが読んでいるかもしれない。

*1:写真をとって、それに合致する情報を検索結果として表示する。例えば、道に咲いている花を撮影し、検索するとその花が”ツバキ”であるとの情報が表示される